Top > 1-1. 生物を構成する分子と原子

生物は原子からできている

恋愛など、物事について何か考えるにはまず主体をはっきりさせる必要があります。恋愛をする主体は石ころでなければ鉄板でもコンピューターでもなく生物個体です。

そしてそれを構成する細胞、細胞小器官や核、染色体、そしてDNA、蛋白質、脂質などについて考える必要があります。

それらの役割や働きを厳密に理解するにはさらにそれを構成する原子の性質を知る必要があります。

個体から細胞、そして原子へ

生物(多細胞生物)を個体から原子まで追っていくとFig. 1-1のようになります。全ての生物は細胞から成り、細胞には核があります。核の中には染色体が、そして染色体をほどくとDNAがヒストンという蛋白質に結合したクロマチン構造をとっていることがわかります。

さらにほどいて拡大していくとDNA分子は二重らせん構造を成しています。このモデルを提唱したのはワトソンとクリックです。そしてついに原子にまでたどり着きます。

DNAや蛋白質については後のほうで触れます。


Fig. 1-1 個体から原子まで(クリックで拡大)

万物は100種類あまりの元素から

原子は正の電荷を帯びた原子核とその周りを取り巻く負の電荷をもった電子からなり、原子核はさらに正の電荷をもつ陽子と電荷をもたない中性子からできています。ただし水素原子は陽子1個だけです。

元素の周期表をFig. 1-2に示します。


Fig. 1-2 元素の周期表(クリックで拡大) 出典:北折高等専門学校

宇宙には100種類以上の元素が存在します。しかし存在量ではほとんど水素ヘリウムが占めていて酸素や炭素その他重元素はほんの一部に過ぎません。

生物も最も多いのは水素ですが他は酸素、炭素、窒素が構成元素のほとんどを占めています。あとは硫黄、リン、そして塩素やナトリウム、カルシウムやその他ミネラル分が含まれます。

各元素はそれぞれ異なる質量(原子量)と性質があります。1869年にロシアの化学者、ドミトリ・メンデレーエフは元素を軽いほうから順に並べると周期的に化学的性質が非常によく似た元素が現れることを発見しました。化学的性質のよく似た元素を縦列に並べて整理したのが周期表の始まりです。

第11族元素の金銀銅が貴金属として共通していることや第18族元素が全て不活性な気体として揃っていることから縦列は性質が似通っていることがわかるでしょう。

なぜ周期的に化学的性質の似通った元素が現れてくるか、また何が元素の性質を決定しているかは次のページで触れます。

1-2. 電子軌道

(2008/07/01)